投稿原稿 & Publicity 豊田裕章(豊田歯科医院院長)  TOYODA DENTAL CLINIC
進学教室浜学園 編集・発行会誌 掲載原稿  (2008・8・17)
浜学園版進路マップ<ハマップ> 2008年8月号記事 「子どもの歯と健康を守る食生活」 より



 ハマップ2008年8月号より 
  ハマップ2008年8月号より

「自然にかえる子育て」真弓定夫著
             芽ばえ社発行 より
 灘中学をはじめ関西の難関校に毎年多くの合格者を出す事で有名な進学塾の浜学園が、通塾生・保護者向けに2ヶ月に1回発行している会誌「ハマップ」の2008年8月号に、私のインタビューと豊田歯科の紹介記事が掲載されました。以下に紹介します。

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歯だけじゃない!木だけじゃなく森も見よう!

 1984年、大学卒業後3年目に実家のあった現在地に歯科医院を開業したという豊田院長。開業後も様々な勉強を重ねてこられたといいます。そんな中、環境問題に取り組むEM(有用微生物)研究会での活動を通じて、歯科医という職業柄、食を通じた健康の問題、環境の問題について発言する機会が増えていったとか。医院の待合室には、情報発信のための小冊子が多数設置されています。

「健康な歯というのは生きていく上で必要な<食べる>という行為を行うための、必須条件です。口腔の機能がきちんとしていないと、生命力を維持しがたい。また、おいしく食べるということは生きる喜びにもつながりますね」と語る豊田院長。21世紀の医療は、病気を治すことだけでなく、いかに健康な状態を維持していくか、という課題が主流になっている、といいます。

 「健康を守っていくにはどうすればいいか、全体像ををまず考え、それを歯という部分に当てはめるとどうなるか、という考え方が大切です。歯の健康だけを考えて治療すればいい、ということではない。この点を指摘して私は、<木を見て森を見ずではなく、木も森も見る生き方をしよう>といつも講演などでは話しています。<健康>を広い意味でとらえ、歯にはもちろん、身体にも、ひいては環境にも悪い影響を与えないやり方で生活することが大切だと考えています。」それでは、歯や身体や環境に悪い影響を与えない生活とはどのようなものでしょうか。

虫歯が減っている一方で小児肥満や歯周病が増加

近年、甘い物に気をつけて歯をきちんと磨く習慣が定着し、フッ化物の応用が広がって、子どもの虫歯は減り続けています。しかしながら10代の生活習慣病や歯周病の第一歩といえる歯肉炎などは、逆に増える傾向にあるのだとか。豊田院長は、こうした現状の背景には、<便利さに囲まれて自ら動かないこと>の弊害があると考え、子ども用電動歯ブラシ不要論を唱えておられます。

 「超音波で細菌を除去し、歯を清潔に保てることはよいことです。しかし、これは木だけの視点。お年寄りや身体の不自由な人など、事情のある人はともかく、成長期の子どもが自ら動かずに電気の力だけで歯を磨く、このおかしさに気づかなければならないと思います。『自分で出来ることは自分でする』という森の視点こそが、健康と学習能力向上にも環境を守るためにも最も大切なことなのです」と、現代人が陥りがちな健康生活への矛盾を指摘する豊田院長。食べるときも自らのエネルギーをしっかり使って食べることが大切、と語ります。そんな豊田院長が提唱する健康生活は次のようなものです。

@不便なこと、面倒くさいことをする機会を増やし、もったいないことを減らす
A平日の飲み物は、水か食後のお茶。飲み物にカロリーはいらない。
B元の姿のわかる食べ物を多く食べる。食べ物の形は、自分の口の中で変える。
Cできるだけ近くのものを、近くの方法(気候風土に合った調理法)で食べる
D1日3〜4杯のご飯をめやすに。おかずはやや少なめに。
E米(ご飯)、大豆(みそ汁)、植物性発酵食品(漬物、納豆)を食生活の土台におく

虫歯予防にはハミガキと食習慣の改善がポイント

 「@については、仕事では能率、効率を重視しなければならないのですが、私生活では効率を優先せず不便なことをたくさんしましょう、ということです。自分でできることは、何か他のエネルギーを使うのでなく、自分のエネルギーだけを使ってすれば、身体にも環境にもいい生活が送れます。C、Eは身土不二という言葉があるように、近くでとれた旬のものを伝統的な調理法で、ということです。欧米型の食生活はどうしても脂質が多く、パンには水分が少ないので牛乳やジュースなどで流し込み食になりがちです。Bは、小魚などもとの姿がわかるものを食べていれば、咀嚼回数も増える、ということです。そうすれば唾液がたくさん出て歯が汚れにくい食生活を送ることができます。日本人には,パンという粉食よりお米のご飯という粒食がおすすめです。」

 「A、Cについては、パン食やジュースなどは週末の楽しみに、ということです。日本人の体にはお米中心の食事がいいのですが、それだけでは物足りない、納得できないという人のために最低限平日は、ということで提案しています。ペットボトルの水やお茶は<近くのものを>という観点から考えると避けたいものです。日本の水道水は安全ですが、それでも水質に不安があれば最低限のフィルターや炭などで浄水すれば安心して飲用できます。販売されているお水は水道水の200倍から1000倍の価格ですし、水の汲み上げ・充填、容器製造、輸送にたくさんのエネルギーが必要でCO2も多く排出します。どちらが健康的な生き方につながるのか、大きな視野=森の視点をもって生活する必要があると思います。

何をどう食べればいいかは 歯が教えてくれている!?

「Dのご飯を多めに、というのは、日本人のDNA(体質)に合った食べ方になるのですが、実は歯の構成から考えてもたいへん理にかなったことなのです」という豊田院長。具体的にどういうことかというと、肉食動物には肉を引きちぎるためのとがった形状の奥歯(裂肉歯)があり、肉を引きちぎるとすりつぶさずに飲み込みます。草食動物には裂肉歯はなく、奥歯(臼歯)は植物をすりつぶすのに適した形状をしています。人間の歯を、上顎左半分の8本で見ると、前の2本が切歯で、野菜・果実などの植物を食いちぎるための歯、その隣の1本が肉食動物の歯に似たとがった犬歯、残りの5本が植物とくに穀物をすりつぶすのに適した臼歯です。よって、野菜・肉・穀物を2:1:5の割合でとっていれば健康的な食べ方になるというわけです。

「自然のものを自然のまま食べていれば虫歯にはならないと考えられますが、人間は何万年も昔から火を使い、食糧を加工して食べています。縄文人にも虫歯が発見されていますから、現代人に虫歯対策は必要です。それには、ハミガキをすること、食と生活習慣を整えることが第1、第2のポイントです。

唾液の出を多くするためにも、なるべく加工された状態でなく、もとの形がわかり、しっかり咀嚼することが必要な状態の食べ物を食べることが大切です。食べ物は、口の中で、自分の歯と筋肉を使って咀嚼することでその形を変えてから嚥下する、ということが大切なのです。また、フッ素やキシリトールなども有効ですが、その前に、米・大豆・発酵食品を土台とした食習慣づくりが大切です。」

浜学園会誌ハマップ8月号原稿
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