投稿原稿 & Publicity 豊田裕章(豊田歯科医院院長)  TOYODA DENTAL CLINIC
浪速区歯科医師会誌 第27号 歯科医のための食生活・栄養講座PART 8
〜コレステロールとトランス脂肪酸〜・2



作りたてのフライドポテト
1ヵ月後のフライドポテト
2、危険なトランス脂肪酸

 トランス脂肪酸とは、マーガリンなどを製造する際に、液体状の(植物性の)不飽和脂肪酸に水素を添加して、固体状の飽和脂肪酸に変化させる過程で生じる人工の不飽和脂肪酸で、半硬化油とも記されます。
ショートニング、加工油脂という名で油で揚げたスナック菓子、サラダオイル、マヨネーズ、レトルトカレー、コーヒーフレッシュ、フライドポテトなど多くの加工食品に含まれています。
 これは構造式からいうとトランス型という自然界には存在しない脂肪酸で、代謝・分解されにくく、体の中に残ってしまうもので、プラスチック食品という別名があるぐらいです。
 たとえば、マーガリンを常温でおいても、1年たっても変化せず、カビもはえません。アリもゴキブリも寄り付きません。植物油は健康にいい、だからマーガリンはバターより体にいいと思っていませんか。とんでもない話です。
 医師で元気で長生き研究所長の昇幹夫先生が自宅で実験された結果が、次の写真です。
普通の植物油で作った自家製のフライドポテトは、3日目からカビが生え始め、1ヶ月で白く黒くカビだらけになりました。それに対して、有名なM社のフライドポテトは、1ヶ月過ぎてもきれいなままです。どちらが人の体に安心でしょうか!?
*昇先生のホームページの、健康むらネットの報告記事の最後の方で紹介されています。参照はこちら
 
 トランス脂肪酸は、欧米では法律で禁止されたり量を規制されたり、表示が義務付けられたり、メーカーが自粛したりしていますが、日本では野放しです。厚生省から特別保健用食品の許可を受けているK社のエコナオイルには5.2%のトランス脂肪酸が含まれているそうです。これは普通の植物油の倍以上の含有率です。
(今この5,2%は、改善されたのでしょうか?)
 食生活が欧米化・外食化・ファストフード化すれば、脂質の摂取量は増加し、トランス脂肪酸の摂取量が増加しますので、警戒が必要です。
総括すると、歯周病対策には、末梢を循環する血液の質・量の不足や劣化、血管壁の劣化・老化対策としての、食生活指導が不可欠です。
さらには、禁煙指導、ストレスのコントロールも同時に大切なのです。 (次号に続く)

[参考]
* 『ドクター江部の糖尿病徒然日記
    高雄病院理事長江部康二先生ブログ
* 『太ったインディアンの警告』
       エリコ・ロウ著・NHK出版
* 『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』
       山田豊文著・河出書房新社
〜コレステロールとトランス脂肪酸〜・2
 閉じる
豊田歯科医院  〒556−0014 大阪市浪速区大国3−6−14  TEL:06−6632−1590 FAX:06−6634−3815    ホーム